相続不動産の不動産売却について!デメリットや注意点も解説

相続不動産の不動産売却について!デメリットや注意点も解説

不動産を相続した際、維持管理の負担や将来のトラブルを考えて、売却を検討する方も多いのではないでしょうか。
売却によって資金を得られるなどのメリットがある一方で、手続きの煩雑さや税負担などのデメリットもあります。
この記事では、相続不動産を売却する際のメリット・デメリット、そして注意すべきポイントについて解説します。

相続した不動産を売却するメリット

相続した不動産を売却するメリット

不動産を相続した際、そのまま所有し続けるか、売却して現金化するかは、多くの方が直面する重要な選択です。
とくに、維持費の負担や遺産分割の公平性の観点から、売却を選択するケースが増えています。
以下では、維持費や現金化といったメリットについて解説いたします。

維持費

不動産を所有していると、固定資産税や都市計画税といった税金が毎年発生します。
都市部の住宅地では、年間10万円以上の固定資産税がかかることもあり、相続人にとって大きな負担となる場合があるでしょう。
固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税は最大0.3%のため、評価額が高い物件ほど負担が増えます。
評価額が1,500万円の場合、年間の税負担は約26万円になります。
これにくわえて、建物が老朽化している場合は修繕費用も発生するため、維持管理にかかる費用は無視できません。
さらに、修繕費のほかに草木の管理や防犯対策など、想定外の支出が生じる点にも注意が必要です。
とくに、築年数が古い木造住宅では、定期的な屋根や外壁の補修、シロアリ対策の費用がかかり、長期的には大規模改修が必要になるケースも少なくありません。
くわえて、空き家を長期間放置すると、放火や不法侵入などのリスクが高まります。

現金化

不動産を売却する最大のメリットの一つは、現金を得られることです。
相続した不動産をすぐに使用する予定がない場合、売却によってまとまった資金を得ることで、相続税の納税資金や生活費、教育費、将来の投資などに充てることができます。
売却資金は、相続税の納付期限(相続開始から10か月以内)に間に合えば、納税資金としても有効に活用できるでしょう。
また、現金化した資金を金融商品に再投資することで、リスク分散を図りながら資産運用の選択肢を広げられます。
さらに、早期売却で相続税納付資金を確保する事例も増えています。
現金であれば、各相続人に等分に分けられるため、手続きの停滞やトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

トラブル

不動産を共有名義で相続すると、売却や賃貸を決めるたびに全共有者の同意が必要です。
意見が分かれると手続きが進まず、家族関係が悪化する可能性があります。
また、共有状態が解消されないまま空き家になると、防犯や近隣トラブルのリスクが高まるでしょう。
なお、売却を早めに検討すれば、こうした対立を避けやすくなります。

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相続した不動産を売却するデメリット

相続した不動産を売却するデメリット

不動産を相続して売却を検討する際には、いくつかのデメリットも理解しておく必要があります。
以下では、主なリスクと注意点を解説します。

所有権

不動産を売却すると所有権を手放すため、将来居住したり賃貸したりする選択肢が失われます。
とくに、思い出のある実家などでは、精神的な負担も軽視できません。
また、田畑や山林などは、地域とのつながりが深く、簡単に売却できない心理的なハードルがあります。
再開発予定地の場合は、地価上昇の機会を逃す懸念があります。
たとえば、再開発により地価が上昇する可能性があり、早期売却が機会損失につながる場合があるでしょう。
さらに、売却前には相続登記などの事務手続きが必要で、時間と費用がかかる点にも留意が必要です。
売却後は、固定資産税の負担はなくなりますが、代替資産への投資先を検討する必要があります。

譲渡所得税

売却益が出た場合は、譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)が課税されます。
保有期間が5年を超える長期譲渡は税率20.315%、5年以下の短期譲渡は39.63%となり、売却益が大きいほど負担も増えます。
また、取得費が不明な場合は、概算取得費として売却代金の5%しか控除できないため、課税所得が膨らみやすい点にも留意が必要です。
なお、自宅として利用していた物件であれば、一定の要件を満たすことで、3,000万円特別控除などの軽減制度を活用できる場合があります。
ただし、取得費の領収書などの証憑が残っていないと、課税額が大きく変わります。
そのため、具体的な計算方法や軽減特例の適用条件は、税理士に確認しましょう。

収益

不動産を保有したまま賃貸物件に出せば、都市部などでは長期的な家賃収入が期待できます。
売却すると、継続的な収益機会はなくなります。
また、不動産は資産価値を保持する手段でもあり、地価上昇により資産形成に有利となる場合があるでしょう。
さらに、インフレ局面では、実物資産の保有価値が高まりやすいとされるため、中長期の資産防衛手段としても検討できます。
一方、築年数の古い物件は、家賃下落リスクが高い傾向にあります。
空室リスクや修繕負担などのマイナス要素もあるため、収支シミュレーションは欠かせません。
また、将来子や孫に住まわせたい場合も、一度売却すると再取得に多額の費用がかかる点を踏まえて検討しましょう。

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相続した不動産を売却するときのポイント

相続した不動産を売却するときのポイント

不動産を相続して売却を検討する際には、手続きや権利関係を正しく理解しておくことが欠かせません。
誤った対応は、トラブルや損失を招く可能性があります。

売却方法

2024年4月1日施行の法改正により、相続登記は取得を知った日から3年以内に申請することが義務化されました。
違反すると、10万円以下の過料が科されます。
売却するには、まず相続登記で名義を変更し、そのあとに仲介か買取を選択します。
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議書を作成し、署名押印が必要です。
また、仲介は市場価格に近い金額を期待できますが、内覧対応や価格交渉に時間と手間がかかります。
さらに、買取は価格が下がる傾向がありますが、短期間で現金化できる点がメリットです。
近年は、オンライン一括査定で相場感を把握する方法も一般的です。
仲介を選ぶ場合は、媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)の違いを理解し、適切な会社を選びましょう。
なお、査定から成約までは平均3〜6か月を見込み、資金計画は余裕をもって立てることが重要です。
売却前には複数社に査定を依頼し、築年数や立地、周辺環境などを踏まえて戦略を立てましょう。

共有名義

相続した不動産が共有名義の場合、売却には全ての共有者の同意が必要です。
意見がまとまらないと、売却の機会を逃すおそれがあります。
とくに兄弟姉妹間で生活拠点が異なる場合、連絡や調整だけで想像以上に時間がかかります。
共有者が遠方にいる場合、押印取得だけで数週間かかることもあるでしょう。
売却価格や代金の分配方法は事前に協議し、対立が解消しない場合は家庭裁判所の調停や審判を利用します。
また、弁護士や司法書士に相談して話し合いの場を整えると円滑に進みます。
共有者が売却に反対する場合は、持分買取や持分売却の選択肢もありますが、第三者が共有者になるとトラブルが拡大する可能性があるでしょう。
さらに、持分のみを第三者に売却すると、新たな共有者との調整がより難しくなるため慎重さが求められます。
そのため、可能であれば物件全体を一括で売却し、現金を分配する方法がもっともリスクを抑えやすいでしょう。

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まとめ

相続した不動産を売却することで、維持管理の負担軽減や資産の現金化といったメリットが得られます。
その一方で、名義変更や相続税の対応、将来的な収益喪失などのデメリットにも十分な配慮が必要です。
トラブルを避けて円滑に手続きを進めるためにも、事前の準備と専門家への相談が重要になります。

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