不動産相続の税金対策は大丈夫?申告前に確認すべき注意点5つを解説

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不動産相続の税金対策は大丈夫?申告前に確認すべき注意点5つを解説

不動産を相続する際には、税金に関する正しい知識と事前の対策が欠かせません。

これらの知識や対策が不十分だと、「いざ相続となってからでは、何をすればいいのか分からない…」と戸惑うことになるかもしれません。

この記事では、不動産相続に関わる主な税金の種類と注意点、申告前に確認すべきポイントをわかりやすく解説します。

不動産相続で発生する税金とは?基本知識を押さえよう

不動産相続で発生する税金とは?基本知識を押さえよう

登録免許税・相続税・固定資産税の違い

不動産相続時には、複数の税金が関わります。
代表的なものは、「登録免許税」「相続税」「固定資産税」です。
登録免許税は、不動産の名義変更(相続登記)を法務局でおこなう際にかかる税金です。
課税対象は、不動産の固定資産評価額で、相続による登記では、原則0.4%の税率が適用されます。
相続税は、被相続人の財産全体にかかる税であり、不動産もその対象に含まれます。
財産の総額が基礎控除額を超える場合に課税され、法定相続人の数などにより納税義務が異なります。
固定資産税は、不動産を所有している限り毎年課される税金です。
相続により所有者が変わった場合でも、次の納税義務者として支払い義務が継続します。

税金が発生するタイミングと納付期限の目安

税金の種類によって、発生する時期や納付期限が異なります。
これを把握しておくことは、余計な負担を避けるために重要です。
相続税は、相続の開始(被相続人の死亡日)から10ヶ月以内に申告・納付が必要です。
期限を過ぎると、延滞税や加算税などのペナルティが課される可能性があります。
登録免許税については、法的な納付期限はありませんが、登記を先延ばしにするとトラブルの元になります。
早めの登記手続きを心がけましょう。
固定資産税は、毎年1月1日時点での不動産所有者に課税されます。
相続が発生しても、年度途中で名義変更が完了していない場合、前所有者宛に請求されることがありますので、名義変更を速やかにおこなうことが大切です。

見落としやすい税金とその注意点

不動産相続では、意外なところに税金が潜んでいることもあります。
まず、土地の名義変更に伴う登録免許税は、意外と見落とされることも少なくありません。
不動産の相続登記を怠ると、後々の売却や相続手続きに支障をきたしてしまいます。
次に、固定資産税の名義変更漏れにも注意が必要です。
名義変更をおこなわずに放置すると、納税通知書が故人宛に届き続け、結果として未納扱いになってしまうことがあります。
また、被相続人が生前に納めていなかった未納税(住民税や所得税など)が発覚することもあります。
これらも相続人に納税義務が引き継がれますので、相続発生後には税務署での確認もおこなうとよいでしょう。

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不動産相続税の計算方法をわかりやすく解説

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相続税評価額の求め方と対象資産の範囲

相続税の算出は、財産の評価額を正確に把握することから始まります。
不動産については、路線価方式や倍率方式で評価されます。
路線価方式は、市街地に多く適用される方法で、国税庁が公表する道路ごとの価格に面積を乗じて計算します。
倍率方式は、主に市街地以外の土地に用いられ、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて計算します。
また、対象資産には、土地や建物だけでなく、借地権や借家権などの権利も含まれます。
たとえば、被相続人が借地権を持っていた場合、その権利も評価の対象となります。

基礎控除や税率・控除額の早見情報

相続税には、誰にでも適用される基礎控除があります。
この額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で計算することができます。
たとえば、法定相続人が配偶者と子2人の計3人であれば、基礎控除額は4,800万円となります。
その上で、課税対象額に応じて段階的な税率が適用されます。
たとえば、1,000万円以下は10%、それ以上の金額は15%、20%と上がっていきます。
一定の金額ごとに控除額が設定されており、差し引いた後の金額が実際の税額になります。

各相続人ごとの税額算出の手順

相続税は、遺産総額から基礎控除を差し引いて課税遺産総額を算出し、それに税率を適用して全体の相続税額を計算します。
その後、法定相続分に基づいて各相続人の税額を按分します。
たとえば、相続人が4人であれば、原則として4分の1ずつ割り当てられます。
さらに、個別の相続人に対しては、配偶者控除(1億6,000万円または法定相続分までは非課税)、未成年者控除、障害者控除などが適用される場合があり、これらによって納税額が減額される可能性があります。

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不動産相続の節税対策と活用できる控除制度

不動産相続の節税対策と活用できる控除制度

小規模宅地等の評価減や配偶者控除の活用

不動産相続では、特例制度を活用することで節税が可能です。
たとえば、小規模宅地等の特例があります。
これは、亡くなった方の自宅や事業用の土地について、相続人が居住や事業を継続する場合に、最大80%の評価減が認められる制度です。
評価額が大きく下がるため、相続税を大幅に軽減できる効果があります。
都市部では、土地評価額が高くなりやすいため、この特例を適用することで節税効果が非常に大きくなります。
また、配偶者控除を活用することで、配偶者が相続する財産については、1億6,000万円または法定相続分まで非課税となります。
長年連れ添った配偶者にとって、負担を軽減するための重要な制度です。
さらに、配偶者には居住の安定を図るための「配偶者居住権」制度も整備されており、活用することで法的な保護も強化されます。

相次相続控除や住宅資金贈与制度の概要

相次相続控除は、10年以内に2回以上の相続が発生した場合に使える制度です。
前回の相続で支払った相続税額の一部を、今回の相続税から控除できます。
家族内で相続が立て続けに発生した場合にはとくに有効です。
高齢化により、親世代から子世代、孫世代へと連続して資産移転が起こる場面では、この控除を見落とさないことが重要です。
また、住宅取得資金の贈与に関しては、特定の条件を満たせば、非課税での贈与が可能な制度もあります。
省エネ住宅の場合は、非課税限度額が拡大されるなど、税制優遇が受けられるため、生前の資産移転にも役立つでしょう。
若年世代の住宅取得支援策として位置づけられており、贈与者・受贈者ともにメリットがあります。
将来の相続税対策の一環としても検討する価値が高い制度です。

控除を受けるための条件と注意点

これらの特例や控除を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
たとえば、小規模宅地等の特例では、相続人が被相続人と同居していたことや、相続開始後もその土地を継続して使用することが求められます。
事業用地においては、相続後も事業継続が必須条件となるなど、用途によって要件が異なります。
また、各種控除の適用には、所定の期限内に正確な申告をおこなう必要があります。
書類の不備や提出漏れにより、控除が受けられなくなることもあるため、税理士などの専門家と相談しながら進めるのが安心でしょう。
くわえて、相続税の申告期限(被相続人の死亡後10か月以内)を過ぎると、加算税や延滞税が発生する可能性があるため、時間的余裕を持って準備することも重要です。

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まとめ:不動産相続税への理解と準備で損しない相続を

不動産相続に関わる税金は、登録免許税、相続税、固定資産税と多岐にわたります。
それぞれの税金の特徴と発生タイミング、支払い期限を正しく理解しておくことが大切です。
また、相続税の計算方法や控除制度についての知識を持つことで、不要な税負担を避けることも可能です。
こうした制度を上手に活用するには、税理士や司法書士と連携しながら、相続が発生する前から準備を始めることが重要です。

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株式会社セキュアハウス メディア編集部

株式会社セキュアハウスは、豊明市およびその周辺地域に根ざし、土地・新築戸建て・中古マンションなど多様な不動産の売買を手がけてまいりました。地域密着型の営業スタイルを大切にしながら、お客様一人ひとりのご要望に真摯に向き合い、最適なご提案をおこなっています。長年の経験と地域特化の情報力を活かし、ご紹介可能な非公開物件も豊富に取り揃えており、理想の住まい探しや円滑な売却をお手伝いします。
不動産は人生において大きな決断のひとつです。だからこそ、お客様の立場に立った丁寧なヒアリングと分かりやすいご説明を心がけ、納得のいく取引を実現することを使命としています。地元の環境や相場に詳しいスタッフが在籍しており、「このエリアに住みたい」「この物件を売りたい」といったご相談にも迅速に対応可能です。
不動産に関するお悩みや疑問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。信頼できる地域のパートナーとして、皆さまの暮らしに寄り添います。


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