空き家が生まれる原因を解消する制度「家族信託」とは?メリットを解説

空き家が生まれる原因を解消する制度「家族信託」とは?メリットを解説

高齢化が加速している日本では、所有者の入院や認知症などが原因で、空き家になっている不動産が多く存在しています。
実家が空き家になることを防ぐために、事前に検討できる方法のひとつが「家族信託」です。
今回は、空き家が生まれる原因を解消する制度「家族信託」とはなにか、制度のメリットについても解説します。

空き家が生まれる原因

空き家が生まれる原因

将来、親が高齢になった場合に、実家が空き家になる可能性について考えておくことは大切です。
ここでは、空き家が生まれる主な原因を3つ解説します。

空き家の原因①親と子の別居

以前は親世帯と子ども世帯が同居し、親が亡くなった後は子どもが家を受け継ぐ形が一般的でした。
しかし、近年では核家族化が進んでおり、親世帯と子ども世帯が別々に住んでいることは珍しくありません。
実家に親だけが住んでいる家は、親が高齢化すると空き家になりやすい現状があります。
親が病気で入院したり、高齢者施設に入居したりすると家に住む人がいなくなり、空き家になります。

空き家の原因②相続の発生

家の所有者が亡くなると、相続人が家を所有するのが一般的です。
しかし、家族関係によっては、相続人がいなかったり、複数の相続人のうち誰が空き家を相続するかが決まらなかったりするケースがあります。
とくに辺ぴな場所にある土地など、相続を希望する人がいない不動産の場合、遺産分割協議がまとまりにくくなるでしょう。
また、空き家を相続した相続人はいるものの、管理を怠り、空き家が放置状態になるケースも多く見られます。

空き家の原因③認知症

子どもが実家を売却したくても売れないため、空き家になってしまうケースがあります。
親が病気で入院して実家が空き家になった場合、親の意思が確認できれば、子どもが代理人となって売却できます。
しかし、認知症などにより親の判断能力が低下している場合、子どもが代理人として実家を売却することは不可能です。
判断能力が低下している方による契約行為は無効となるため、空き家の売却はできません。
実家が共有名義のケースでは、名義人のどちらか一方が意思能力を失った場合でも、売却ができなくなります。
親の認知症が発症した後で、空き家を売却する方法のひとつが「成年後見制度」です。
しかし、成年後見制度は家庭裁判所での手続きが必要となり、申し出が承認されないケースもあります。
そのため、手続きに時間をかけたくないとの理由から、放置されている空き家が多いのも現状です。

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空き家の解消策となる「家族信託」の制度

空き家の解消策となる「家族信託」の制度

将来、実家が空き家になることを防ぐために有効な選択肢のひとつが、家族信託です。
ここでは、家族信託の基礎知識と仕組み、空き家対策の手順に分けて解説します。

家族信託の基礎知識

家族信託とは、家族のための財産管理制度のことです。
信託法にもとづいて家族と「家族信託契約」を結び、財産の管理や処分を任せる制度です。
親の判断能力があるうちに子どもと家族信託を結べば、将来認知症を発症した場合などの状況に備えられます。
家族信託を結べば、親の意思に関わらず、子どもが実家に関するさまざまな決定をできるようになります。

家族信託の仕組み

家族信託を構成するのは、以下の3者です。

●委託者:財産を預ける方
●受託者:財産を預かって管理や処分、運用をする方
●受益者:利益を受け取る方


親子で家族信託を結ぶ場合は、委託者と受益者が親、受託者が子どもになる場合が一般的です。
受託者になった子どもは、親の代わりに実家の売却活動や売買契約などをおこなえます。
売却で得た利益は、受益者である親が受け取ることになります。
受託者は、預けられた資産について、比較的柔軟な意思決定をすることが可能です。
そのため、親と子どものように信頼できる間柄で結ぶことが、信託の重要なポイントです。

家族信託で空き家対策をする手順

家族信託で空き家対策をするためには、以下の手順を踏む必要があります。

●信託者、受託者、受益者を決める
●信託契約内容を決める
●必要書類を準備する


はじめに、家族信託を構成する3者の役割を明確にすると、資産が適切に管理できるようになります。
次に、信託契約の内容について、以下の点を決めておく必要があります。

●信託財産の内容
●管理方法
●受益者の権利
●家屋の管理
●家屋の売却方法


この内容を具体的に決めておけば、将来親が判断能力を失った場合でも、親の意思を反映させた資産管理が可能になります。
家族信託の内容が明確に定まったら、最後に必要な書類を集めて契約を結びます。
家族信託の必要な書類は、信託契約書や不動産登記簿、評価証明書などの信託財産を証明する書類です。
家族信託を結ぶ場合は、法的な知識を持つ専門家のサポートを受けることがおすすめです。
法律上の手続きに沿った契約を結べば、将来のトラブルを未然に防げます。

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家族信託の制度を利用するメリット

家族信託の制度を利用するメリット

将来、空き家になりそうな不動産がある場合、家族信託の制度を利用すると多くのメリットが得られます。
ここでは、主なメリットを3つ解説します。

メリット①早めに子どもに財産を引き継げる

親が亡くなってから子どもに財産を引き継ぐと、高額な相続税が発生するため、生前から相続税対策を検討する方がいます。
しかし、子どもに一度に多くの財産を贈与すると、高額な贈与税が発生します。
また不動産の場合、融資を受けてアパートを建設・経営するなど、長期的な計画をもとに節税を検討するケースもあるでしょう。
しかし、長期的な計画で子どもに贈与をおこなう場合、途中で親の認知症が発症して、計画がとん挫するリスクがともないます。
そこで、あらかじめ家族信託を結んでおけば、長期化する計画を親子で共有し、財産の管理運用を子どもに早めに引き継げます。

メリット②遺言と兼ねられる

家族信託には、委託者死亡後の信託財産の承継先を決められる「遺言代用型信託」の形式があります。
遺言代用型信託では、委託者が死亡すると家族信託契約は終了し、信託財産は相続人や第三者に継続する形となります。
信託法は、遺言の根拠である民法よりも優先されるため、家族信託の内容は遺言書よりも強い効力を持つのが特徴です。
そのため、生前の財産管理から、死後の遺言までを一括して決めておける点は、家族信託のメリットです。
ただし、法定相続人に最低限保証される相続の遺留分については、家族信託よりも強い効力があります。
遺留分侵害が起こらないようにするためには、相続発生時の財産承継についての話し合いが必要です。
家族信託の内容を決める場合は、将来の相続人になる可能性がある家族とも、よく相談することをおすすめします。

メリット③柔軟な管理ができる

親が認知症になった場合に活用できる家族信託以外の選択肢に、成年後見制度があります。
しかし、成年後見制度の主な目的は本人の財産保護であり、財産の柔軟な処分ができない特徴があります。
たとえば、成年後見人が空き家を処分するためには、家庭裁判所の許可が必要です。
しかし、実際の売却活動では、家庭裁判所の判断を待っている間に、売り逃してしまう可能性も考えられます。
一方、家族信託では、受託者による柔軟な判断が可能です。
そのため、タイミングを逃すことなく空き家を売却でき、より有利な条件での売却契約が成立する可能性も高まります。

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まとめ

空き家が生まれる原因には、親と子どもの別居、相続の発生、認知症の発症などが挙げられます。
親が子どもに財産の管理や運用を任せる家族信託制度を利用すれば、親の判断能力が失われた場合に備えられます。
早い段階で子どもに財産を委ねられる点や遺言を兼ねられる点、財産の柔軟な管理ができる点は、家族信託のメリットです。

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