実家じまいとは?必要な準備や処分の方法も解説

実家じまいとは?必要な準備や処分の方法も解説

親が住んでいた実家に住人がいなくなったときは、実家じまいの考えどきです。
実際のところ、建物や土地、荷物の処分はどのような流れで進めていくのか、よくわからない方も多いでしょう。
今回は、実家じまいとは何か、どんな方法でおこなうのかを解説します。

実家じまいとは

実家じまいとは

実家じまいとは、なんらかの理由で、住人がいなくなった実家を引き払うことです。
荷物を整理した後、建物や土地を売却・処分します。
空き家を放置することはリスクが高いため、将来的に自分で住む見込みがない方は、いずれ実家じまいの方法について考えなければなりません。

実家じまいをする理由

実家じまいをする主な理由は、もともと住んでいた両親のライフステージの変化によるものです。

●親と同居することになった
●親が施設に入った・住み替えをした
●親が亡くなった


親が存命かつ健康な状態なら、親子で協力しながら、実家じまいの作業を進められます。
特に荷物の整理をするときは、残しておくものと捨てるものを子が勝手に仕分けず、親に判断を仰ぐようにしましょう。
建物や土地はどんな方法で処分するのか、売却するなら代金はどう取り扱うのかも、事前によく話し合っておきたいポイントです。
また、2023年に改正された空家等対策特別措置法により、所有者の責務が強化されました。
特定空き家に指定されると固定資産税の優遇が外れたり、行政代執行による解体が行われたりする可能性もあるため、放置には注意が必要です。

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実家じまいの事前準備の方法

実家じまいの事前準備の方法

実家じまいを考え始めたら、まずは事前準備に取りかかりましょう。
おおむね、以下のような方法で進めていきます。

●①実家を継ぐか、畳むかを考える
●②親や兄弟姉妹などと話し合う
●③親の財産の全貌を把握する


今すぐに実家じまいをする状況ではなくても、準備は親が健康であるうちに着手するのがおすすめです。

準備①実家を継ぐか、畳むかを考える

将来的に実家を相続することが見込まれる方は、早い段階で「実家を継ぐか、畳むか」を考えてみてください。
親の死後まで見据えて、遺品の処分方法なども詳しく想定しておけば、後の作業をスムーズに進められます。

準備②親や兄弟姉妹などと話し合う

実家の相続について、親や兄弟姉妹を交えて話し合ってみましょう。
自分は将来的に実家を売却・処分したいと考えていても、兄弟姉妹はそれを望まないケースもあります。
親の意向・兄弟姉妹の意向・自分の意向をそれぞれ明確にして、全員が納得できる形にすることが大切です。
実家の所有者である親の意向は強い力を持ちがちですが、後に選択の責任を負うのは子世代であるため、遠慮せずに率直な意見を伝えましょう。
将来を見据えた話し合いを重ねていくうちに、夫婦でコンパクトなマンションに住み替えようか、施設への入居を考えようかと新たな考えが浮かんでくることもあります。

準備③親の財産の全貌を把握する

親が亡くなると相続が発生しますが、前段階として、親がどんな財産をどれだけ所有していたのかを把握するのに苦労するケースがあります。
実家じまいについて考えつつ、ほかの財産の所有状況も明確にしておくのがおすすめです。
同時に、親には「終活」をすすめ、資産の情報や延命治療に関する希望、葬儀やお墓に関する希望などをエンディングノートなどにまとめてもらいましょう。
親が健康であり、意思能力もあるうちに準備を済ませておけば、実家じまいや相続の作業が格段に楽になります。
さらに、2024年4月から相続登記が義務化され、親が亡くなった後は不動産の名義変更を3年以内に行わないと過料の対象になる可能性があるため、登記状況も早めに確認しておきましょう。
とくに、親が意思能力を失うと売却が難しくなる点に注意しましょう。
親が認知症や寝たきり状態になると、十分な意思能力がないとみなされ、不動産の売買をはじめとした契約行為ができなくなってしまいます。
意思能力がない方が所有する財産を、第三者が管理・処分するためには複雑な手続きが必要です。
実家を売却して、施設への入所や介護にかかる費用などを賄う計画がある方は、親の健康状態を特に注視しましょう。

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実家の建物・土地・荷物を処分する方法

実家の建物・土地・荷物を処分する方法

実家じまいの事前準備が済んだら、実際にどのような方法で処分を進めるのかもイメージしてみてください。
建物・土地の処分方法は、主に「そのまま売却する」「土地として売却する」「買取に出す」の3つです。

そのまま売却する方法

実家に住宅としての資産価値があるなら、不動産会社に取引仲介を依頼して売却を試みましょう。
不動産を売却するときの大まかな流れを解説します。
①不動産会社に査定を依頼する
まずは、任意の不動産会社に物件の査定依頼をします。
後の媒介契約に進むためには、担当者が直接現地を訪れて実施する、訪問査定が欠かせません。
②媒介契約を結ぶ
不動産会社に、売買取引の仲介を依頼するための契約を結びます。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があるため、それぞれの違いを踏まえて自分に合う形態を選びましょう。
③売却活動をする
不動産会社が募集広告を制作し、物件の売り出しをします。
一般媒介契約や専任媒介契約を結んでいるときは、売主が自ら買主を見つける自己発見取引も可能です。
④内見対応・条件交渉・売買契約の締結
物件の購入を検討している方からの問い合わせを受けたら、内見対応をします。
誰も住んでおらず、荷物の整理も済ませた状態で売り出しているなら、不動産会社の担当者に鍵を預けて、対応を一任するのも良いでしょう。
取引価格や引渡し時期などについて双方が合意できたら、正式に売買契約書を作成して契約を締結します。
⑤決済・引渡し
代金の支払いと物件の引渡しが済んだら、取引は終了です。
成功報酬として、受け取った代金から不動産会社への仲介手数料を支払います。

土地として売却する方法

建物が古く、売却できるほどの資産価値が残っていないときは、土地としての売却を試みましょう。
建物を解体してから更地として売り出すほか、土地代のみで「古家つき土地」とする方法もあります。
購入後のリフォーム・リノベーションを前提に、古家つき土地を探している方の目にとまれば、解体費用をかけずに不動産を手放すことが可能です。
土地を売却する方法・流れは、不動産をそのまま売却するときと同様です。

買取に出す

立地や周辺環境が良くなかったり、形状が特殊であったりする土地は、売却を試みても買い手がつかないことがあります。
そのようなときは、一般消費者のなかから買主を探すのではなく、不動産会社に物件を直接買い取ってもらいましょう。
建物が古い、土地の形状が特殊であるなどの難を抱えた物件も、専門業者を頼れば買い取ってもらえる可能性があります。
また買取には、仲介を受けての売却より短期間で、売却活動の手間なく取引を終えられるメリットもあります。
買取額は市場価格のおおよそ7~8割になってしまいますが、実家の処分に時間や手間をかけたくない方にもおすすめです。

荷物の処分方法

実家じまいを経て処分することにした荷物は、まず買取業者に相談し、価値があるものを引き取ってもらいましょう。
値段がつかなかったものや、買取に出せないものの処分方法は、以下を参考にしてみてください。

●家電類:家電小売店や回収業者などに引き取ってもらう
●パソコン:パソコンメーカーや回収業者などに引き取ってもらう
●仏壇・神棚:仏具店や不用品回収業者などに引き取ってもらう
●一般ごみに該当するもの:分別し、何回かに分けてごみ収集に出す


大量の一般ごみを一度に処分したいときは、自治体のごみ収集センターに直接相談しましょう。

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まとめ

実家じまいとは、住人がいなくなった実家の荷物を整理した後、建物や土地を売却・処分して引き払うことです。
親が健康であるうちから事前準備を進めておくと、将来の実家じまいや相続をスムーズに進められます。
住宅は、建物にも資産価値がある状態ならそのまま売却、そうでなければ更地や古家つき土地としての売却を狙いましょう。

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