特定空家とは?特定空家の認定基準や認定されるリスクについてご紹介

特定空家とは?特定空家の認定基準や認定されるリスクについてご紹介

相続などの理由で空き家を所有しているものの、遠方にあるためなかなか見に行けず、放置しているケースもあります。
空き家を放置したままにしていると、特定空家に認定されてしまうと聞き、不安に思う方もいるでしょう。
今回は、特定空家とはなにか、特定空家の認定基準や認定されるリスクについてご紹介します。

特定空家とは

特定空家とは

どのような状態の空き家が「特定空家」に認定されるのかを知ることが、特定空家に認定されるのを避ける第一歩です。
ここからは、特定空家とはどのようなものかをご紹介します。

特定空家と通常の空き家の違いとは

空き家の定義とは、建築物またはこれに付属する工作物や敷地で、常に居住その他の使用がおこなわれていないものです。
具体的には、1年間をとおして、人の出入りや水道・電気・ガスの使用状況から総合的に判断されます。
これに対して、特定空家とは、以下のいずれかにあてはまる状態を指します。

●倒壊が著しく、保安上のおそれがある
●著しく衛生上有害になるおそれがある
●適切な管理がおこなわれていないことによって著しく景観を損なっている
●周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である


このように、放置されていて危険な状態になっている空き家や、周囲を不快にさせている空き家が「特定空家」とみなされます。
たとえ空き家であっても、所有者が適切に管理している空き家は、法律の対象外となっており、所有者の許可なしに敷地内に入ると不法侵入となってしまいます。
しかし、空家対策特別措置法によって、管理不全な空き家に対しては、自治体が敷地内への立ち入り調査をおこなうことが可能になりました。
ほかには、所有者の確認をするために、住民票や戸籍、固定資産税台帳などの個人情報を利用したり、水道や電気の使用状況の情報を請求したりできます。

空家等対策特別措置法とは

空家等対策特別措置法とは、空家等対策の推進に関する特別措置法の通称です。
この法律は、全国で空き家の放置が問題になるなかで、平成26年11月に国会で成立しました。
空家等対策特別措置法では、空き家の実態調査や空き家の所有者への適切な管理の指導、空き家の跡地についての活用推進などが定められています。
また、適切に管理されていない空き家を特定空家に指定できます。
特定空家に対して、助言・指導・勧告・命令ができ、特定空家に対して罰金や行政代執行をおこなうことが可能です。
空き家を適正管理する義務は所有者にあり、責任内容としては、建物が老朽化して倒壊しそうなケースや、庭の草木が道路まではみ出しているケースなどが含まれます。

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特定空家の認定基準とは

特定空家の認定基準とは

特定空家に認定されるのを心配している方は、特定空家の認定基準を理解しておく必要があります。
ここからは、特定空家の認定基準とはなにかをご紹介します。

特定空家の認定基準となる状態

特定空家の認定基準には、4つの状態があり、その一つが衛生上で有害となるおそれがある状態です。
そのまま放置しておくと、衛生上で著しく有害となるおそれがある空き家は、特定空家に認定される可能性が高いです。
たとえば、建物や設備の破損が原因のケースや、ごみなどの放置や不法投棄が原因のケースがあります。
ほかには、アスベストが飛散してばく露する可能性が高い、浄化槽の破損で汚物が流出している、放置されたごみから臭気や害虫が発生している状態などが該当します。

倒壊の危険がある

特定空家の認定基準に該当する状態として、倒壊など保安上の危険があると、特定空家に指定される可能性があります。
判断基準として、建物が倒壊するおそれがある、屋根や外壁が脱落するおそれがある、擁壁が老朽化しているケースなどです。
基礎部分に不同沈下があって、建築物が傾いているケースも含まれます。

周囲にとって迷惑な状態である

特定空家の認定基準として、周辺住民の生活環境を妨げている状態の空き家は、特定空家に指定されるおそれがあります。
立木の倒木や枝折れで木や枝が敷地外や道路に散乱している、建物に動物が棲みついて鳴き声や糞尿の被害が発生しているなど、周辺住民の迷惑になっているケースです。
また、空き家が適切に管理されていないために、不審者が侵入しているケースが考えられます。
ほかには、既存の景観計画やルールに適していない空き家は、特定空家に認定される可能性が大きいです。
その地域が景観法にもとづいて景観計画を策定していて、空き家が形態意匠の制限に適合していないケースが挙げられます。
看板が設置されている建物では、看板が破損して景観を損ねているだけでなく、落下の危険があり、周辺住民の迷惑となっているケースもあります。
このようなケースでは、もし落下したら周辺住民が被害にあうおそれがあるため、撤去など早急な対応が必要です。

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特定空家に認定されるリスク

特定空家に認定されるリスク

特定空家に認定されると、さまざまなリスクがあるため、早めの対策が必要です。
ここからは、特定空家に認定されるリスクについてご紹介します。

行政指導を受ける

特定空家に認定されると、行政指導を受けるリスクがあります。
行政によって特定空家に対する立ち入り調査がおこなわれて、その結果により建物の解体などの助言や指導を受ける可能性があります。
行政からの指導を受けたら、持ち主はそれに対して必要な措置をとらなければなりません。
しかし、さまざまな事情により、その措置がとれずに勧告を無視してしまうと、次は行政からの命令となり、対応しないときは50万円以下の罰金が科されるリスクがあります。

固定資産税の特例措置が外れる

特定空家に認定されるリスクの一つが、固定資産税の特例措置が外れる点です。
固定資産税は、住宅用地に対して特例措置があり、税負担が軽減されています。
居住用不動産に対する固定資産税は、3分の1または6分の1に設定されています。
しかし、特定空家に認定されてしまうと、この特例が適用されなくなるため、更地と同じ固定資産税が適用されてしまうのです。
そうなると、固定資産税が3倍または6倍に跳ね上がってしまいます。
固定資産税の特例措置が外れないため、空き家を放置しているケースが増加したことから、条例により特定空家については、固定資産税の軽減措置が除外されました。
これによって、空き家を放置するメリットがなくなり、特定空家の改善につなげようとの狙いです。

強制解体

特定空家に認定されると、行政代執行により強制解体されてしまうリスクがあります。
行政からの命令を受けても、所有者が改善しなかったケースでは、最終手段として行政が所有者に代わり、代理で改善措置をおこなうことになります。
しかし、行政が解体をしても、解体費用は所有者へ請求されるので注意が必要です。
もし、解体費用を支払わないときは、残った土地を差し押さえられたり、所有者の財産を差し押さえたりなどの措置がとられる可能性があります。
解体費用は、何百万もかかるケースがあるため、強制解体になる前に対策をしておくほうが良いでしょう。

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まとめ

特定空家とは、放置されていて危険な状態になっている、周囲を不快にさせている空き家を指し、空家等対策特別措置法によって定められています。
特定空家の認定基準は、衛生上著しく有害となる、倒壊の危険がある、周辺住民の生活環境を妨げている、周辺の景観を損ねているなどです。
特定空家に認定されるリスクには、行政指導を受ける、固定資産税の特例措置が外れる、強制解体などがあります。

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